1つの歴史 70億の記憶 LIFE写真展 ・・・釜山文化会館

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世界的なグラフ誌「Life」を彩った、歴史的な写真の数々の企画展が、1月5日から、釜山の文化会館の大展示室で始まっている。

昨年の暮れ、南浦のメインストリー卜を歩いていた時に、この開催を伝えるポスターに写っていた、子供の写真が、あまりに印象的だったので、思わず足をむける事と、なった。

ここへは、西面からだと2号線の地下鉄で水営方面に乗車し、大淵(テヨン、Daeyeon)駅でおり、徒歩10分ほど。途中に、釜山博物館もあり、その向こうには、UN記念墓地も連なる、文京エリアだ。

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釜山の文化会館は、そのチョッとした高台に、整然と瀟洒に建てられていて、夜には、夜景もみえる。

190人のカメラマンが、撮った写真だとパンフレットには書かれていたので、内心、あのロバート・キャパの写真も見れるのか、或いは、沢田教一の写真もあったりするのかも・・・と、門外漢ながら、チョッと期待して、開幕日から2日ずらした7日に行ってみました。

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今は、誰もが簡単に高感度なデジカメで、写真をとり、リアルタイムで、インターネットを通じて、現地からその情報を発信する時代だ。それだけに、今を生きている、自分の眼に心に、当時のプロの報道写真家の切り取った世界が、どんな響きかたをするのか、興味もあった、が、結果は、圧巻だった。

ヒットラー、チャーチル、硫黄島での激戦、原爆投下直後の広島の光景、朝鮮戦争、ベトナム戦争、もちろん、戦争だけじゃなく、世界の歴史に名を残した偉人たちのポートレート等、大きく引き伸ばされスチールになった「写真」、一枚、一枚が放つ波動は、被写体とそれを撮るカメラマンの想いが、時を越えて憑依しているかのようで、見終わった時には、ぐったり疲れてしまった。

平常日だったが、大学が近いこともあり、比較的若い世代の方も多かった。韓国も日本もなく、等並みな視点で開示された、現在にいたるまでの歴史の刻印ともいうべき展示を、どのような気持ちで見ているのか、チョッと気にもなったりした。

どの一枚が、印象的かなどとは、今思い返しても、決められないのですが、釜山に来る機会がありましたら、是非、観覧される事をオススメします。この辺りの飲食店は、穴場的に美味しいお店もありますので。

展示の詳細について

戦地から、戻った、ユージン・スミスが、戦地でのあまりに悲惨な体験から、カメラを持てなかった時期に、撮影再開の機となった、自身の子供を撮った、一枚。

 

 

 

足元に ある 歴史 の 旅(釜山博物館)

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光陰矢の如し。2013年も、フィナーレですね。と、いっているうちに、ケーブルTVのNHKでは行く年来る年が、流れ、2014年に突入。皆様、明けましておめでとうございます。

ここ数日の釜山は、ぱりっとした寒気が、晴天とあいまって、いつになく、日中の青空も、暮れる夕陽の風情も冴え渡っている気がします。

ここ数年の夏が、異常に暑かった性か、また昨年の冬に較べては、底冷えしないのか、私どもの住む、東莱(トンネ)からでも、海沿いのビーチや、龍宮寺の休息所の波濤の音を、つい想い浮かべてしまいます。

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先回のブログでも書きましたが、これまで、日本と韓国に拘る、仕事をしながら、両国間の歴史には、あまり関心を持たないできました。綺麗事ではなく、それは、自分たちには、手に負えないものとして、あたらず、さわらず、そんな感じです。

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 過日、朝鮮通信使の話が出て、勿論、概略は知っているつもりでしたが、倭館の歴史に眼をむけると、釜山から日本、日本人からみた釜山の歴史の遷移、また、それに留まらず、この大陸の半島の端である、釜山が担ってきた、”中継点”としての役割が、こういう時代だからこそ、歴史の網の目から、立ち上ってくる感覚を、その時代の余韻を、今に伝える遺構や資料を実際に前にすると、ふわっと感じてしまったのです。

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このまえのブログで、紹介した伽耶の歴史になどには、日本(倭)が統治していた任那説などあるようですが、歴史が好きな方々のなかには、いろいろな歴史の光景をなぞることに、その方・その方の楽しみを見出されることが、あるんだろうなと、いうこと。

そして、歳を重ねるうちに、他のひとには見えない光景を探して、人はどこかを訪れるのだと、いうことをも。

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 追記 2014年1月21日(火)より改装中だった、本館が、とても綺麗にリニュアルされ、オープンしております。単に、韓国の釜山の歴史のみならず、東アジアの海洋文化の流れ、大陸の文化の流入、または、朝鮮文化の底流に流れるもの等、とても見やすく、見ごたえのある展示が、無料にて閲覧できます。石器時代から、現代までの歴史を、出土された現物を通じて体感できる、ひとときを味わったあと、最寄りの広安里ビーチのカフェで、珈琲をすするのも、オツな物と思います。

個人的には、高麗時代の陶器のセンスの良さが、とても印象的でした^^。

釜山博物館・行き方の詳細

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クリスマスの 夜に、釜山 の秘史 を 想う

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新世界デパート の クリスマス イルミネーション
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新世界デパート の 吹き抜けの クリスマス・ツリー

2013年 ここ釜山も、クリスマスを迎えようとしています。本当に 波乱含みだった2013年。

日韓の歴史は、政治に利用されるばかりで、その本質を味わう機会を奪われていることが、昨今、ことに多いのですが、その中で、そういった齟齬にわずらわされることなく、自分達がここ至るまでに、どこから来て、そしてどこに行くのかを史実を探し、仮説を検証する。

そういった、ユニークな視点から、半島と、日本の交流を謎解きのモティーフにされている方々が、おられる事を、仕事を通して知り、案内の下見をするなかで、この半島の南東の端を、いろいろな国の、いろいろな人達が、いろいろな思惑で行き交っていた、そういう場所だったのだと、改めて、最近、思うようになりました。

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金首王陵(kimusuro wang nung)

この、土・日、独自の歴史考で、著書もものされている方の、検証の為の、釜山行に同行させて頂きました。

独立国として、日本の邪馬台国が存在したもっと以前に成立し、王の后は、インドのアユタヤから迎え、日本も含めた海外との交易で栄え、400年弱も、続いた伽耶の国の、遺跡を、金海に。また、朝鮮通信使から、長崎の出島のように、朝鮮との交易を目的として、釜山に逗留した日本人の街”倭館”の痕跡を、釜山市中に。

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古代に 鉄の生産で栄えた”伽耶” 鉄の鎧を、馬にしつらえ、鉄騎兵が、進軍した
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伽耶(金海) 鉄騎兵 の 実物大 モニュメント (2)

どこの街でも、存在するのであろうが、その時代が喧伝する歴史とは、また別の、”秘史”に触れるとき、街の景色もまた、街ゆく人々も、違った眼で見えてくるかもしれないですね。

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金海市 の クリスマス・イルミネーション 1

とにかく、今日は、2013年、聖夜。みなさん、メリークリスマス。

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金海市 クリスマス・イルミネーション 2

頂いた ご著書

この1年半、走り廻った、釜山の2020年の透視図。

市民ホールロビーの、エア・釜山のレプリカ

あっという間に、日本はゴールデン・ウィークを迎える時節ですね。4月26日(月)から、釜山の金海空港から発着している、釜山商工会議所とアシアナ航空が提携して運営している、コミューター航空のエア・釜山が、大阪~釜山便も、飛び始めている。

この4月は、釜山市でも、いたるところで、今回の巡洋艦の爆発による殉職者の哀悼の為色々な式典が取り止められ、静粛な春を送っていました。兵役がある国でありながら、いやそれだけに、この国では戦争の勃発を誰も望んでいないのは、ここで暮らしてきて肌身に感じます。

常に、大国に蹂躙されかねない、加えて様々な代償を払ってきた歴史から、表層からは見えない韓国のひとの学びを、時に考えるともなしに、感じる瞬間があります。

そんな事もあってか、本当、4月は、小雨まじりの灰色の空が多かった。

それでも、金海国際空港にいくと、日本からも沢山の方が来られて、この間もライオンズクラブの団体の方がロビーで思い思いに、記念写真を撮られる光景に出くわしたりしていました。

福岡~釜山便の好調を受けての、就航だけに、どんなことになるのか、注目です。個人的にも、日本に入るリーズナブルな便が、できるのは嬉しいですね。

2020年の 海運台エリアの 予想図
釜山港を含めた、中心地エリア の 全景

ところで、日本への通訳業務随行の準備に、切れたパスポートの更新の為、釜山に来て、初めて市民ホールにきたのですが、そのホールにあった釜山のジオラマ(模型展示)の構想が、とても面白かった。

いわゆる、2020年までの都市計画を詳細に、ジオラマにしているのだ。

ここで、本当に詳細に、2020年までの都市計画が、語られている。

その中でも、2020年に誘致を企てている釜山オリンピックの競技場の完成図や、新しくハブ空港をめざして建設予定の空港と都心つなぐ交通手段の説明などが、事細かに解説されているのは、この1年余り、実地に、この街を右から左に走り廻ってきた記憶と相まって、何か不思議な感慨も、チョロッとあったりした。

地下鉄1号線 市廟駅からのエントランスにある、無料・新刊書閲覧コーナー
釜山エリアの企業 色々なジャンルの特産が、丁寧に展示 1
釜山 の企業の 特産品 見本 2

慌しく暮らしていて、こんな事でもないとくる事がない場所だったが、他にも、釜山の美術協会の絵画や書道やアートの展示もあったりした。

写真でお見せできないのが、残念だが、作品のレベルが極めて高いうえ、展示室のセンスも素晴らしく、思いもかけず、久々の”家庭画報”的な時間を、過ごさせてもらった。

ちなみに、センタム・シティのべクスコの横にある、釜山市立美術館の現在のエキジビション展示は、ピカソとモネだそうだ。