昨日は、金海空港へ、よく行く国際線のターミナルではなく、国内線のターミナルへ人を送りに行った。国内の場合、最近はもっぱら、釜山駅からKTXを使用する方が、断然多いので、今回、釜山に来てからは初めての事であった。 済州島へ行かれる方を、お送りしたのだが、6月という時期のせいもあってか、月曜日の午前というのに、物凄い人の数である。サングラスに、ミニスカートの女の子も、これみよがしに闊歩していて、華やかにオンシーズンの幕開け、といった感じ
済州へは、フェリーもあるのだが、これなら、エア・プサンの収支が良いのも頷けた。30分あまりのフライトであっというまに、チェジュである。釜山を、基点にすると韓国の南岸の海浜観光は、ホンと便利なんだなと、あらためて思った。
東莱に、帰る途中、いつも場違いな感じで、いきなり、トンネルを抜ける忽然として、山を越した郊外に、新装のマンションが立ち並んでいるエリアがある。地下鉄駅では、徳川(トクチョン)。2号線と3号線の交差するエリアで、こういうエリアは案外、その便利さもさる事ながら、マンション価格の高騰を見越して、買われる事も多い。
一気に、韓国でマンションの購入を考える人は、そう多くないかもしれないが、半年とか、1年以上の短期滞在を繰り返す方には、その方の才覚やビジョンによっては、そんなに非現実的な話ではない、時代である。
因みに短期の滞在の方には、例えば、韓国での賃貸マンションは、月払い(ウォルセ)とチョンセ(2年契約の、退出時、全額保証金返金制度)がとられている。詳細は、ここを参照。
で、話が横道に逸れてしまったが、そのエリアに亀浦(クッポ)という市場がある。いつも、金海空港にむかう道すがら、気になっていたのだが、これまで、なかなか立ち寄る機会がなかった。 写真が、ピンぼけな為、全然そのニュアンスが伝わらないが、とにかく、旬の、はじけるように瑞々しい、地物の野菜のオンパレード。釜山市中にある、名だたる市場と比較しても、値段が廉価で、ものがいいのは圧巻である。勿論、大型マーケットで流通している野菜などとは、値段も含め較べものにならない。
野菜だけは、北海道で本物の有機無農薬の逸品の素材を、常に扱わして貰っていた経験で、体がその真偽に反応する。その点からも、それにかなり近い、良質な気を内包している野菜は、いつも市場を漁っている自分にもここが、初めてだった。
考えてみれば、ここよりほど近い、金海のエリアは、都市近郊の野菜農家が、ハウス栽培も含めて、かなりの規模で耕作している訳だから、当たり前といえば、そうなのだが、車がサーキットのように、テール・トゥ・ノーズでデッドヒートし、建設重機が、林立する360万都市の傍らで、廉価でこの素材を手に入れことができるのは、なんといっても、降って湧いた、束の間の至福みたいなものである。
写真を、撮るのも忘れて、野菜の匂いを鼻いっぱいに吸い込む。
奥に入り込んでいくほど、ここが島国ではなく、大陸と陸続きのアジアである事を、改めて、想起させるに、まさにふさわしい市場。(あまり、深くはいると、ショッキングな卸もあるので、ほどほどに・・) 自分は、たまたま15年前、ニュージーランドにいった折に、韓国人と知り合い、その後、シドニーに流れて、在豪韓国人のエリアで韓国人の友人に助けられたりしながら、韓国人と結婚した。それまでは、自分にとって韓国は、あまり興味も縁もない国であった。 唯一の接点は、漢方であり、それも単純に中華圏で代替できると思っていた。
2000年に、韓国が日本文化禁止(そんな時代が、あったんだな・・)を解いて、一躍、大量の日本人が訪れるところと、なった。始めは、その異質性が好意的に、受け取られていたが、今では、好意的な人を凌駕するほどの嫌韓の声も高い。
その変遷は、まさに自分の心の中のコリア、そのものである。
人には、向き不向きがある。嗜好も、人それぞれである。
釜山を、足で歩くうちに見えてきた風景は、ある意味、アメリカのブラグマティズムを強力に志向するように見せながら、それ以上にそれを底辺でガッチリ包含する、諸子百家(紀元前3世紀)の時代から亜細亜が熟成させてきた、アジアのリアリズムが形作ってきた独特の規範の中で、生きている人達の実相のようなものである。
それは、現代、日本で生まれ暮らし、似ているようで、似ていないなどと、形容するしかない自分には、ついぞわからぬ感覚かもしれない。
本当に、日差しが南国という感じで、暑気あたりになりかけて、フッと入った、コングクス のお店。とにかく、もし、亀浦市場に行く事が、あったら、見つけてみてください。
で、もとプロからの、韓国食の逸品店の、見つけ方(笑)
まず、チェーン店には、入らない。(込んでいるお店、だからといって、味も一級とは限らない。)
お店は、やや古め。常連とおぼしきアジョシ(若者にあらず)が、何故か差し向かいで座り、静かに食べていて、
静かにさっていく。 込む時もあるかもしれないが、騒々しくない。 店主の方の雰囲気が、さりげなく、上品。
不思議に、ふらっと入りたくなった時が、縁。(笑)無理に、みつけようとしても、見つからない。日本向けの情報誌には、あまり出ていないが、異邦人がはいっても不愉快になる事はない。
よければ、釜山歩きのご参考にしてください。