2015 秋 慶州・新羅・千年王国・日帰りの旅

この秋、慶州には3組ほどのお客様を、ご案内しました。慶州は、いわずと知られた、BC54より、1000年・続いた新羅の都。韓国ドラマ、「善徳女王」放映の頃をピークとして、現在まで、沢山の日本人のお客様も、この地を訪れてきたところです。

灯台もと暗し(笑)、という訳ではありませんが、私自身、あまりにも当たり前に、昔からあったため、思いのほか、丹念に見ていない事も、あったなと、この秋、気づかされました。

世界遺産となっている、石窟庵(ソックラン)や、仏国寺は、勿論ですが、それ以上に、国立慶州博物館で、今回、半日、その膨大な新羅の遺品を、時系列に見たことで、「そんな昔に、こんなに素晴らしい調度品をつくり、設えて、いたんだな・・。」と端的に、驚いたからです。

また、これまで幾度か、独自に歴史を掘り起こしておられる方を、釜山周縁の歴史行にご案内したときの、金海エリアの伽倻の文化(国立金海博物館リンク)、釜山市内の福泉博物館でみた、古代・3韓時代の遺構・遺品リンク

そして、そんな林立する古代の小国の中で、仏教を国是として、周辺、または、外国とも交易をし、金の産出が豊富であったため、絢爛な装いで、千年王国をつくっていった新羅の栄華のありさまが、どこかで妙に符合して、王陵等の古墳群を、お客様と散策しながら、眼前に立ち現れる気がしたのです。

釜山からは、KTXで、30分弱、高速バスで50分と、気軽に、暫しの歴史巡りを、楽しめます。

奈良や、京都、九州と、日本の歴史と、重ねあわせて見ると、2度美味しい、異国でのオリジナルな歴史考になります。

お昼間に、慶州、夜にまた、釜山の喧騒を、楽しむ。お奨めです。

真夏の世界遺産 慶州・・仏国寺編

今日は、大阪よりお越しのグループと、暑い日差しの中、新羅の古都、慶州(キョンジュ)へ足をのばした。世界遺産の石窟庵(ソックラン)、仏国寺(プルグッサ)があり、いわずと知れた名跡の街であるが、最近は、「善徳女王」の大ヒットで、また一段と訪れる方が増えた。ここより、動画へ。

BGMを聴きながら、真夏の 仏国寺ツアーへ、どうぞ^^ここを、クリック=> Rylynn.mp3

暑さにも、拘わらず、老圃洞(ノポドン)・バスターミナルは、旅行者でいっぱい
シートがワイドで、一人旅にも、カップルにも配慮された、高速バス内(勿論、涼しい)
高速を、降りて、 慶州市街地へ

今日は、予定を変更して、午後2時過ぎから急遽、慶州に行く事になり、とても主要箇所全部は巡れないので、善徳女王班(笑)と、寺跡班に分かれて、動くことと、なった。最近は、高速バスも新型車両が増えて、シートの、リクライニングもかなり自由で、快適になっている。皆さん、ひと寝入りしている間に、慶州(キョンジュ)に到着した。

観光都市「慶州」にしては、意外にこじんまりした、バス・ターミナル

世界遺産ばかりではなく、国立公園が各所に点在するこの街は、高層建築規制がなされていて、市街地をちょっと抜ければ、見渡すかぎり連綿と続く、水田の風景。石瓦の、一般住宅の屋根。

車窓から、KORAIL( 韓国鉄道公社)慶州駅
慶州 の 一般住宅

既に、午後4時をまわり、一路、仏国寺へむけて、タクシーをひた走らせる。

仏国寺 入り口すぐ近くの ユースホステル

のどかな風景を、抜けて、ほどなく、世界遺産の寺、仏国寺へ到着した。

寺門に、いたる 道すがら

蝉の啼く声が、じ~じ~っと、さざめく、公園をぬけると、参道の道は、陽は未だ高いとはいえ、夕方の為か、意外に静かだった。 それでも写真を見ると、結構、人はいるのだが。

仏国寺 の 入り口前
寺門 の 入り口 2
韓国のお寺の守り神 四天王に、 礼を捧げて、本堂へとむかっていく

ここいらに、来たときに、なぜか一気に滝のような汗が噴出した。同行された、皆さんも、同様である。邪気が、祓われたと、思う事にするも、単に、熱中症ではと、年齢を自覚させられる。

本堂に前に、開けた広場にある 社務所
本堂境内にいたる、高床式の 寺門(老朽化の為、この石段は、閉鎖中)

汗を、拭きつつ、いつも写真で見る、この石段の門を見上げる。世界遺産ということで、信仰の対象のお寺というより、文化遺産の側面が、強いのかと思ったが、敷居の高さもなく、次第に、そこはかとなく厳かな気分になってくる。

迂回した通路から、境内 の 中へと 入っていく
まず、眼に飛び込んできたのが、この 石塔(釈迦塔)

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多宝塔 (新羅式異型石塔の傑作らしい )
韓国 の 仏寺 の 中央に、かならず鎮座する 大雄殿
優しいお顔 を した 如来像

韓国の仏教は、アジアの中でも、原初的な大乗仏教の姿を、今に伝えていると、繰り返し、自著の中で、瀬戸内寂聴さんが、かつて、書かれていた。その真偽は、さておき、普段が激しい競争と喧騒の中に生きる韓国の人が守り続けた、癒し場としての仏寺。韓国のお寺が、山に位置しているのは、偶然ではなく、仏教弾圧から、身を守る為であったと、いう。

何故か、この時期に咲いている、紫陽花を傍らに、より上部へと

韓国に来てから、お寺に来ることが多くなった。お寺が好き~というより、不思議とお寺を廻って帰ってきた日は、色々な経緯で悩まされていた、過去のいやな記憶を思い起こす事が少ない事に気づいたのだ。

観音堂 日本人の観音信仰の深層 韓国に来てから 本当に感じている

とにかく、最後に観音殿を、お参りする。この、仏国寺の観音さまは、それは綺麗な面持ちの、仏像だ。祈りを捧げる対象の仏像さんだが、ここの観音さまは優しさというよりアートがかった、ちょっとクール・ビューティな像である。自分の、ぶれた写真より、是非、じかに対面して頂たい。

石積み 逆縁で業を背負った 子供の為、存命の肉親が石を積むというが・・
出口 手前 の 茶屋

暑い中、写真のお好きな方たちは、思い思いに三脚を立てて、撮影されていたが、そのお陰で、少しく、自分もカメラに、収める事ができた。帰りに、「新羅ミレニアムパーク」を堪能(笑)された方々と、合流して、一同、爆睡の中、高速バスで、釜山に戻り、南浦洞で、暑気ばらいの、参鶏湯を食した。

本当に、お疲れさまでした。

今度は、是非、民族村や、海印寺(ヘインサ)にも、撮影にも、よいのでお連れしたいです。

世界遺産のお寺というが、そこかしこに、絢爛とか豪奢といういうものに、毒されていない、仏教の系譜を肌で感じることが、できた。